阪神中継ぎ問題をシーズン別の登板数推移から考える

阪神中継ぎ問題をシーズン別の登板数推移から考える

阪神の中継ぎ投手は酷使されているのか?

2024年シーズンは桐敷拓馬70試合登板(防御率1.79)で酷使されているのではとも言われましたが、過去10シーズンと比較してどうなのでしょうか?調べてみました。

 

監督 投手コーチ 中継ぎ 中継ぎ 中継ぎ 中継ぎ 中継ぎ
2024 岡田 安藤,久保田 桐敷(70) 岩崎(60) ゲラ(59) 石井(56) 漆原(38)
2023 岡田 安藤,久保田 岩崎(60) 加治屋(51) 岩貞(50) 石井(44) 島本(35)
2022 矢野 福原,金村 湯浅(59) 岩崎(57) 岩貞(53) 浜地(52) アルカンタラ(39)
2021 矢野 福原,金村 岩崎(62) スアレス(62) 岩貞(46) 馬場(44) 及川(39)
2020 矢野 福原,金村 スアレス(51) 岩崎(41) 岩貞(38) 能見(34) 馬場(32)
2019 矢野 福原,金村 島本(63) ジョンソン(58) 守屋(57) ドリス(56) 球児(56)
2018 金本 金村,香田 桑原(62) 岩崎(61) ドリス(55) 球児(53) 能見(45)
2017 金本 香田,金村 桑原(67) 岩崎(66) ドリス(63) マテオ(63) 橋(61)
2016 金本 香田,金村 橋(54) マテオ(52) 安藤(50) 球児(43) 榎田(35)
2015 和田 中西,山口 呉(63) 福原(61) 高宮(52) 安藤(50) 松田(30)

()内が登板試合数。2020年シーズンは120試合制。ほかは143試合

 

桐敷の143試合で70試合に登板ということは、ほぼ2試合に1試合なので、確かに多いですね。
ただ、2017年シーズンの桑原も67試合に登板。桑原はその翌年も62試合に登板しています。

 

桑原の例で考えると、桐敷は来シーズンは乗り切れるかも。
ただ、3年連続で60試合以上という選手はいません。

 

この表を見ると「岩崎のものすごさ+ありがたさ」がしみじみとわかりますね(2019年も48試合に登板)。
今シーズン(2024年)はイマイチだった岩貞も2023年までは4年連続でトップ5にランクインしてます。

 

2024シーズンのチーム別中継ぎ登板数トップ3

監督 中継ぎ 中継ぎ 中継ぎ
阪神 岡田 桐敷(70) 岩崎(60) ゲラ(59)
巨人 阿部 バルドナード(58) ケラー(52) 高梨,船迫(51)
DeNA 三浦 森原(58) 坂本(48) 山ア(38)
広島 新井 栗林(60) 島内(58) 黒原,塹江,森浦(53)
ヤクルト 高津 大西(60) 木澤(55) 山本(44)
中日 立浪 マルティネス(60) 清水(60) 松山(59)

巨人に行ったケラーが52試合登板で防御率1.53と昨シーズンの27試合1.71から成績アップ。
ホーム球場が甲子園から投手不利の東京ドームになってコレですからね。これも地味に優勝を逃した原因かも。

 

巨人の阿部監督は60試合以上登板の投手をつくらないように中継ぎのローテーションもやりくりしてたことがわかりますね。これはやられた(来年はやり返す!)。


2021年シーズンのイニング別失点から中継ぎ問題を考える

2021年シーズンは「神」抑えのスアレスがいてくれた(いらっしゃった)おかげで、最後は安心して見れましたが、その前がドキドキしましたね。試合がひっくり返されたことも何度か。

 

これまで自慢だった阪神の中継ぎ陣が打ち込まれるシーンが目立ちました。
イニング別の得失点で見ると、その傾向がハッキリ出ています。

 

2021年シーズンの阪神イニング別得失点

1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
得点 63 54 79 67 74 53 54 49 50
失点 62 61 48 57 53 55 67 81 32
1 -7 31 10 21 -2 -13 -32 18

得点が多いイニングTOP3、失点が多いイニングTOP3。
(クライマックスシリーズの2試合を含む)

 

失点が最も多いのは8回
81点取られていて、防御率に直すと5.03です。

 

これじゃ勝てない。
いや、勝ち星なら優勝したヤクルトと同じ。これで勝ってたんですよね。

 

7回も67点失っていて、防御率に直すと4.16
やはり中継ぎ陣が打ち込まれました。

 

反対に考えれば、ここが来シーズンの阪神の伸びしろ。9回の「神」が抜けてしまった分のマイナスがあったとしても、7回8回を何とかすることで乗り切れるのではないでしょうか。

 

いでよ!中継ぎ。

2021年交流戦終了時点までのイニング別得失点

以下の記事は2021年シーズン中のものです。

 

2021年交流戦終了時点までの阪神のイニング別得失点をリーグ戦、交流戦別に集計してみました。

 

阪神のイニング別得失点(交流戦終了時まで)

1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
得点 28 14 32 28 25 23 16 10 15
失点 6 17 9 16 23 16 21 22 9
22 -3 23 12 2 7 -5 -12 6
交流戦 得点 6 9 12 8 15 6 7 4 15
失点 7 6 3 7 6 11 12 19 5
-1 3 9 1 9 -5 -5 -15 10

セ・リーグの戦いでは、1回3回の得失点差が大きくプラスになっています。

 

上位打線でしっかり得点して(1回は1周り目、3回が2周り目)、先発は相手の上位打線を抑えていることがわかりますね(QSが多いのも納得)。

 

ただし、7回8回で苦労することが多く、得失点はマイナス
なんとか9回のスアレスまでつないで逃げ切っているという試合が多くなってます。

 

7回8回は、どうしても失点ばかりに目が行ってしまいますが、得点も少ないんですね。
リードしている状況であれば、相手はビハインドの投手が投げています。

 

ここで点を取れていれば、もっと楽な展開になりそうです。

 

交流戦では6,7,8回の得失点がマイナス

交流戦は最終的に11勝7敗と貯金4で、順位も2位(セ・リーグ内では1位)といい成績に落ち着きましたが、最初の頃は少しモタモタしましたよね。

 

これは得失点で見ても6回から8回までの得失点がマイナスになっています。
ここで逆転されたり、突き放された試合が多かったのがモタモタした原因です。

 

ただ、交流戦も最後は6連勝でフィニッシュ。
最後の6連戦だけなら得失点差も6回+1、7回0、9回+8とマイナスなし。

 

いいリズムでリーグ再開に挑めそうです。

 

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