2023年シーズンの阪神は、104試合終了時点で(8月13日終了時点)でエラーが59個。中日の60個に次いでセ・リーグで2番目の多さになってますが、甲子園とその他の球場で見たら大きな差がありました。
阪神の59個のエラーのうち44個は甲子園でのもの。
甲子園以外の球場だと15個しかエラーがありません。
試合数 | 失策数 | 割合 | |
---|---|---|---|
甲子園 | 48試合 | 44個 | 1.09試合に1個の失策 |
甲子園以外の球場 | 56試合 | 15個 | 3.73試合に1個の失策 |
やっぱり、甲子園には魔物が住んでいる。
土のグランドってむずかしいんですね。
甲子園以外だと「3.73試合に1個の失策」というのはめちゃめちゃ優秀な成績です。
セ・リーグで失策数が一番少ないのは巨人ですが、巨人の甲子園以外での失策数は95試合で30個。割合にすると、「3.17試合に1個の失策」となり阪神の「3.73試合に1個の失策」よりエラーしていることになります。
2022年シーズンも阪神が12球団一のエラー数(西武、日本ハムとは同数)となりました。
ただ、よくなっているところもあります。
昨シーズンは甲子園では相手チームのほうがエラーが少なかった(下記記事にまとめてます)のですが、今年は阪神のほうがセ・5球団よりもエラーが少なくなりました。「ホーム球場なんであたりまえ!」と思うかもしれませんが、セ・リーグの中には、そうではないチームもあります。
2022年シーズンでの各チームの1試合当たりエラー数を球場別(主な球場のみ)にまとめたのが下記の表です。
甲子園 | 神宮 | 横浜 | 東京D | マツダ | バンテ | |
---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0.60(38/63) | 0.50(6/12) | 1.00(13/13) | 0.38(5/13) | 0.83(10/12) | 0.25(3/12) |
ヤクルト | 0.80(8/10) | 0.51(35/69) | 0.38(5/13) | 0.20(2/10) | 0.42(5/12) | 0.38(5/13) |
DeNA | 0.33(3/ 9) | 0.25(3/12) | 0.46(33/71) | 0.09(1/11) | 0.83(10/12) | 0.38(5/13) |
巨人 | 1.17(14/12) | 0.92(12/13) | 0.55(6/11) | 0.42(27/65) | 1.00(13/13) | 0.50(6/12) |
広島 | 0.62(8/13) | 0.64(7/11) | 0.31(4/13) | 0.45(5/11) | 0.56(40/71) | 0.50(6/12) |
中日 | 0.90(9/10) | 0.58(7/12) | 0.58(7/12) | 0.36(4/11) | 0.31(4/13) | 0.39(28/71) |
ビジター計 | 0.78(42/54) | 0.58(35/60) | 0.56(35/62) | 0.30(17/56) | 0.68(42/62) | 0.40(25/62) |
基本的にホームチームのほうがビジター合計よりも数値がイイ(1試合あたりのエラー数が少ない)のですが。唯一の例外が巨人です。
東京ドームでの失策数が巨人は65試合で27個で1試合当たり0.42個。
セの5球団合計では56試合で17個なので1試合あたり0.30個です。
エラーが多いといわれる阪神も神宮、東京ドーム、バンテリンドームではホームチームよりも1試合あたりのエラー数が少ないのです!ホームの甲子園では試合数の少ない横浜の数値には劣りますが、他のチームよりは阪神のほうが堅守です。
ただ、セ・リーグでエラーが最も多かったのは阪神です。
どこで多かったのか。
横浜スタジアムとマツダスタジアムです。
横浜では13試合で13個のエラー。そりゃ、勝てませんね。
今シーズンの横浜スタジアムでの阪神の成績は2勝11敗。
鬼門中の鬼門になりましたね。
来シーズンは屋外球場の横浜とマツダで、「しまっていこーぜー!」
2021年シーズンも阪神が12球団一のエラー数となりました。
「ホームが土のグランドの甲子園だから…」。この言い訳が通用するのか調べてみました。
2021年シーズンの公式戦はクライマックスシリーズの2試合を含めると145試合。
このうち甲子園では64試合が行われました。
京セラドームをホームとすることもあるので甲子園の試合数が半分にはなりません。
145試合を甲子園とそれ以外の球場でわけて、エラー数をカウントした結果がこちら。
甲子園球場 | 甲子園以外の球場 | |
---|---|---|
阪神 | 46個(64試合) | 43個(81試合) |
阪神以外のチーム | 37個(64試合) | 49個(81試合) |
甲子園での試合数のほうが甲子園以外の球場より17試合も少ないのに、エラーは3つ多い!
ちょっと〜、どおなってんの?コレ!
1試合あたりにすると、甲子園は0.72個のエラーで、甲子園以外は0.58個。
甲子園だと3連戦で2個はエラーしている計算になります。
まぁ、土のグランドだから仕方ない…と納得しようとしたものの、相手チームのほうがエラー数が少ない。甲子園での相手リームのエラー合計は37個。阪神より少ないよ。
ホームグランドで慣れてるはずの阪神のほうがエラーが多いよ。
ちょっと〜、どおなってんの?コレ!
でも、希望の光を見つけました。
甲子園以外の球場でのエラーの数です。
阪神が43個で、相手チームが49個(2021年阪神戦)。
阪神のほうがエラーが少ないんですね。
別に阪神の守備がダメダメなわけではありません。
甲子園での守備がダメなだけ。ほかの球場ならダメじゃない。
もう、ひたすら甲子園で練習してくれい!
以下の記事は2021年シーズン6月20日時点での分析です。
阪神にエラーが多い理由の一つとしてホーム球場が土のグランド(甲子園)だからという説があります。そこで、2021年シーズンの甲子園とそれ以外の球場でのエラー数を比較してみました。
2021年開幕から6月20日終了時点(63試合終了時点)までで集計。
甲子園 | 甲子園以外 | |
---|---|---|
試合数 | 28 | 35 |
エラー数 | 27 | 20 |
やはり阪神は甲子園でのエラーが多いんですね。
甲子園だと28試合で27個のエラー。ほぼ1試合1個の割合。
これが甲子園以外の球場になると35試合で20個のエラーしかしてません。
35試合で20個「しか」と言えるのかというと、対戦チームと比較するとわかります。
甲子園 | 甲子園以外 | |
---|---|---|
試合数 | 28 | 35 |
阪神エラー数 | 27 | 20 |
相手エラー数 | 18 | 25 |
甲子園以外の球場での試合では、35試合で阪神のエラーが20個なのに対し、相手チームのエラーは25個。阪神のほうがエラーが少ないんですね。
ところが、慣れているハズのホーム甲子園では逆。
阪神のほうが相手チームよりもエラーが多くなっています。
どうゆうこと?
野球は得点を競うスポーツです。エラー数を競っているわけではありません。
どれだけエラーしたって、最終的に勝てばいい!と開き直ってみましょう。
阪神のエラー数別の勝敗がこちら(6月20日終了時点)。
甲子園 | 甲子園以外 | |
---|---|---|
全 | 16勝11敗1分け | 24勝10敗1分け |
エラーなし | 6勝3敗1分け | 14勝4敗 |
エラーあり | 10勝8敗 | 10勝6敗1分け |
(エラー1個) | 8勝3敗 | 8勝6敗1分け |
(エラー2個以上) | 2勝5敗 | 2勝0敗 |
甲子園でも甲子園以外でもエラーがあった試合よりもエラーがなかった試合のほうが勝率がいいのですが、注目すべきは甲子園でのエラー1個の試合。
甲子園で阪神のエラーが1個だけだったときの成績は8勝3敗。
エラーなしのときよりも勝率で上回ってます。
エラー1個は許容範囲。
むしろ、積極的な(思いきった)守備をした証。
甲子園をホームグランドにしてる阪神なら、そう考えてもいいんじゃないですかね。
積極的なミスは責めない矢野監督の方針のもとで選手がプレーしているからこそ。
これぞ強い阪神!
「エラー数リーグ1位で優勝」なんて阪神にしかできない新しいスタイルですよね。
甲子園なら1個ぐらいのエラーはOK。
観戦しに行ってるときも1個目のエラーでヘンな空気にするのはやめましょう。