梅野や近本の件で死球がクローズアップされているので、最近のセ・リーグ6球団死球ランキングをあらためて調べてみました。
セ・リーグ6球団の与死球数。
年 | 阪神 | 広島 | DeNA | 巨人 | ヤクルト | 中日 |
---|---|---|---|---|---|---|
2022 | 40 | 53 | 58 | 65 | 59 | 50 |
2021 | 31 | 45 | 51 | 56 | 50 | 38 |
2020 | 29 | 28 | 38 | 59 | 28 | 36 |
2019 | 53 | 48 | 36 | 58 | 46 | 50 |
2018 | 51 | 37 | 46 | 51 | 53 | 50 |
2017 | 62 | 26 | 45 | 50 | 45 | 65 |
2016 | 41 | 42 | 31 | 49 | 75 | 48 |
2015 | 44 | 35 | 29 | 39 | 48 | 41 |
2014 | 44 | 55 | 47 | 49 | 40 | 52 |
2013 | 33 | 56 | 45 | 48 | 56 | 50 |
計 | 428 | 425 | 426 | 524 | 500 | 480 |
各シーズンで最も多い与死球数、最も少ない与死球数
ちょっと前まで(2018年まで)はヤクルトの死球が多かったのですが、2019年からは巨人が4年連続でセ・リーグ一番の多さになっています。ちなみに、2019年は原監督が就任した年(2018年まで高橋由伸監督)。
すっかりヒール役になっているヤクルト高津監督は2020年の就任。
この年のヤクルトは、セ・リーグで最少の与死球でした。
高津監督をかばうわけではないですが、「腹黒い」監督がほかにいましたね。
「阪神の投手陣は死球が多い」「防御率がいいのも死球が多くて打者が踏み込めないから」なんて説がありますが、本当でしょうか?
球団別シーズン与死球を調べてみました。
2021年シーズンのセ・リーグで最も与死球が多かったのは巨人の56個。
阪神の与死球は31個で、12球団一の少なさ!です。
セ球団 | 与死球 | パ球団 | 与死球 |
---|---|---|---|
巨人 | 56 | ソフトバンク | 65 |
DeNA | 51 | ロッテ | 65 |
ヤクルト | 50 | 日本ハム | 62 |
広島 | 45 | オリックス | 49 |
中日 | 38 | 西武 | 34 |
阪神 | 31 | 楽天 | 32 |
(与死球が多い順)
「阪神の投手陣は死球が多い」ってフェイクニュースどころか真逆です。
藤浪の印象が強すぎるのか、阪神投手陣にとっては風評被害みたいなものですね。
5月15日終了時点でセ・リーグ各チームの与死球は次の通りです。
チーム | 与死球 | 試合数 | 試合数÷与死球 |
---|---|---|---|
ヤクルト | 19 | 38 | 2.00 |
DeNA | 15 | 35 | 2.33 |
巨人 | 17 | 43 | 2.53 |
阪神 | 13 | 41 | 3.15 |
広島 | 11 | 40 | 3.64 |
中日 | 5 | 39 | 7.80 |
5月15日終了時点までで集計。「試合数÷与死球=何試合に1個デッドボールを出すか」の多い順に掲載。
中日投手陣がめちゃめちゃ優秀。
反対にヤクルトは2試合に1個はデッドボールを出してることになります。
以下の記事は2021年シーズン中の記事です。
阪神vsヤクルト(2021年4月18日)が警告試合となったことで、「阪神は死球が多い」という説が広がっていますが、実際はどうなのでしょうか?
シーズンを通してみれば、どの球団もそれなりにデッドボールを出しているハズ。
「あてたり、あてられたり」のお互い様なのか、それそもやたらとあててる球団があるのか?
2011年から2020年シーズンのセ・リーグ各球団の与死球・被死球数を調べました。
年 | 巨人 | 阪神 | 中日 | DeNA | 広島 | ヤクルト |
---|---|---|---|---|---|---|
2011 | 53 | 49 | 53 | 49 | 61 | 63 |
2012 | 48 | 50 | 48 | 54 | 48 | 52 |
2013 | 48 | 33 | 50 | 45 | 56 | 56 |
2014 | 49 | 44 | 52 | 47 | 55 | 40 |
2015 | 39 | 44 | 41 | 29 | 35 | 48 |
2016 | 49 | 41 | 48 | 31 | 42 | 75 |
2017 | 50 | 62 | 65 | 45 | 26 | 45 |
2018 | 51 | 51 | 50 | 46 | 37 | 53 |
2019 | 58 | 53 | 50 | 36 | 48 | 46 |
2020 | 59 | 29 | 36 | 38 | 28 | 28 |
計 | 504 | 456 | 493 | 420 | 436 | 506 |
各シーズンで最も多い与死球数、最も少ない与死球数
2020年シーズンで最も与死球(デッドボールをあてた数)が多い球団は巨人で、最も少ないのはヤクルト。阪神も最も少ないヤクルトと1個しか差がありません。
過去10シーズンで見ると、最も多い球団はヤクルトで、最も少ないのはDeNA(2011年は横浜)。
阪神は過去10シーズン、与四球数がセ・リーグの中で最も多かったことが一度もありません。
「阪神は死球が多い」説は完全なるガセ、フェイクニュースですね。
年 | 巨人 | 阪神 | 中日 | DeNA | 広島 | ヤクルト |
---|---|---|---|---|---|---|
2011 | 55 | 31 | 42 | 59 | 76 | 46 |
2012 | 52 | 36 | 45 | 56 | 57 | 47 |
2013 | 51 | 37 | 41 | 69 | 47 | 25 |
2014 | 54 | 45 | 34 | 61 | 50 | 35 |
2015 | 52 | 38 | 36 | 43 | 29 | 37 |
2016 | 35 | 51 | 46 | 54 | 47 | 39 |
2017 | 43 | 43 | 56 | 46 | 49 | 44 |
2018 | 32 | 46 | 45 | 49 | 63 | 50 |
2019 | 47 | 49 | 48 | 41 | 36 | 56 |
2020 | 22 | 43 | 39 | 29 | 43 | 42 |
計 | 443 | 419 | 432 | 507 | 497 | 421 |
各シーズンで最も多い被死球数、最も少ない被死球数
2020年シーズンで最も被死球(デッドボールをあてられた数)が多い球団は阪神と広島で、最も少ないのは巨人。その差は2倍近くあります。
過去10シーズンで見ると、最も多い球団はDeNA(2011年は横浜)で、最も少ないのは阪神。
ということは、「阪神はあてられないのに相手にあてている」のか?
与死球と被死球の差も調べました。
年 | 巨人 | 阪神 | 中日 | DeNA | 広島 | ヤクルト |
---|---|---|---|---|---|---|
2011 | -2 | 18 | 11 | -10 | -15 | 17 |
2012 | -4 | 14 | 3 | -2 | -9 | 5 |
2013 | -3 | -4 | 9 | -24 | 9 | 31 |
2014 | -5 | -1 | 18 | -14 | 5 | 5 |
2015 | -13 | 6 | 5 | -14 | 6 | 11 |
2016 | 14 | -10 | 2 | -23 | -5 | 36 |
2017 | 7 | 19 | 9 | -1 | -23 | 1 |
2018 | 19 | 5 | 5 | -3 | -26 | 3 |
2019 | 11 | 4 | 2 | -5 | 12 | -10 |
2020 | 37 | -14 | -3 | 9 | -15 | -14 |
計 | 61 | 37 | 61 | -87 | -61 | 85 |
各シーズンで最も差が大きい、最も差が少ない。
差は与死球球−被死球。差が大きい球団は、あててるけどあてられてない「加害者」球団。
2020年シーズンで最も差が大きかったのは巨人で+37個。
あてられた数よりあてた数のほうが37個も多かったことになります。
反対に最も少ないのは広島の-15個。
あてた数よりあてられた数のほうが15個多かったことを意味します。
過去10シーズンで見ると、最も差が大きいのはヤクルトで+85個。最も少ないのはDeNAの-87個。DeNA(2011年は横浜)は与死球数が最も少なく被死球が最も多い完全な被害者球団です。
ヤクルトはここ2シーズンはあてられる数(被死球)のほうが多いのですが、過去10シーズンでみるとあてている数(与死球)のほうが多い球団です。しかも、阪神の2倍以上です。
コレだけあてといて「阪神はデッドボールが多い、うちは被害者だ」みたいなことをヤクルトから言われるのは心外ですね。
警告試合となった試合で阪神の与死球が多かったのは事実ですが、阪神はシーズン通して多いわけではありません。昨年は巨人が最も多く、過去10年ならヤクルトが最も多い。
ちなみに、ヤクルトは昨年(2020年10月3日)の広島戦も警告試合になっています。
このニュース覚えてますか?知らない人も多いのではないでしょうか。
ヤクルトvs広島だから注目度が低いんですね。
これが阪神相手だとニュースになる。阪神だから取り上げられるんですね。
その結果、阪神対ヤクルトは荒れてるイメージがあるようになってるんですよね。
阪神にしてみれば、ある種の風評被害ですよ。
もう一度、言いたい!
阪神は与死球数が多い球団ではない。
2020年で最も与死球が多かったのは巨人、過去10年ならヤクルト。あてた数とあてられた数の差が最も大きいのも2020年は巨人、過去10年ならヤクルト。阪神ではない!